小論文指導について

 

下記でも軽く触れていますが,料金や授業時間については,個別コースと同じです。

 

文責:新潟中央ゼミナール代表 和田伸洋

 

文部科学省が開催した「大学入試のあり方に関する検討会議」配布資料によると,大学入学者の半数以上がAO入試または推薦入試になっているそうです。

そのため「小論文」や「志望動機等の自己推薦文」などを書くことができるようになる必要性は年々高まっているといえるでしょう。

当塾でも,10年以上前から個別コースにて小論文指導をおこなっておりますが,最初からまともな小論文を書ける生徒に出会ったことは一度もありません。

本人は完璧な文章を書いたつもりでも,読み手からすると話があっちこっちに飛んでいて,何を言いたいのかさっぱり……なんてことが大半です。

 

当塾では,私が添削指導が行いますが,基本的には

・事前に書いてもらったものを添削し,私が添削している間は翌週に添削する問題をやっていてもらう。

・添削が終了したら,講評を本人に伝え,それをもとに改めて書き直してもらう。

 ※ 書き直し分と翌週分のどちらをその時間に優先して書くかは,問題のボリュームや翌週分の進み具合にもよります。

・書き直し分を改めて添削するに際しては,添削指導をもとに私が書いたらどんなものになるかというのも,生徒に書いて渡します。

 ※ つまり,私も小論文を書くということです。

当塾における小論文の添削指導に興味のある方は,ぜひ受講をご検討ください。

また,以下では,小論文の対策について考えるにあたり,私が考えていることをつらつらと書き連ねています。

こちらについても興味のある方は,ぜひお読みいただけたら嬉しいです。

 

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さて,ここまでお読みになられた方のなかには「自分は現代文や作文が得意だし,小論文も大丈夫だ」なんて思っている方もいらっしゃることでしょう。

けれども,現代文や作文が得意な生徒であっても,まともな小論文を書けるとは限りません。

なぜなら,論理を組み立てて文章を書くトレーニングは,ほとんどの生徒が受けていないからです。

かくいう,私も学生時代そうでした。

 

学校でおこなう文章を書く訓練といったら,真っ先に思い浮かぶのは「作文」でしょう。

そして,みなさんが作文を書く機会が一番多かったのは小学校時代だったと思いますので,小学校時代に書いた作文を思い返してください。

おそらくほとんどが,①起きたことを時系列で書き連ね,②最後に感想(しかも当たり障りのないひとことを述べる程度)を書く。

このような形式で良しとされていたのではないでしょうか。

 

ところが,上記の形式で書くにあたっては,論理構造を考える必要がほとんどありません。

本来,たとえば遠足をテーマに書いた作文であれば,遠足で起きた出来事について時系列ですべて記述する必要はありません。

先生は生徒を遠足に連れて行った当事者ですし,当日のスケジュールなんてわざわざ報告されなくても知ってますもんね。

ですから,おそらく先生としては,特に印象深い出来事について深く掘り下げて書いてくれる作文の方が,楽しく読んでくれるのではないかと思います。

だからといって「他の人と大して中身の変わらない作文はつまらないので受け付けません!」なんてことをしていたら,今度はクラス全員が作文を提出できないなんてことにもなりかねません。

そのため,前述①②のような,たいして頭を使わない文章を書いただけで,良しとされてしまうのでしょう(他にも理由はあるかもしれませんが)。

 

もちろん,中学校や高校で矯正される場合もあるとは思うのですが,ほとんどの場合は他の勉強に時間を取られ,論理的な文章を書く訓練まで手が回らないまま学年が上に進んでしまっているように見受けられます。

このような状況の下では,文章を書けるようになるのは難しいと言わざるをえません。

 

とはいえ,以上は私の主観によるところも大きいので,本格的なデータを元にした考察は,関心のある方にぜひやっていただきたいと思います(笑)。

 

さて,ここでようやく小論文の添削指導について話をしよう戻そうと思います。

みなさんの中には「自分の高校の先生による添削指導で十分だ」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

これについては,以下の点から考察してください。

 ❶ 受験までに何通の小論文を添削してもらえるのか

 ❷ 指導内容は適切か

 

❶ 受験までに何通の小論文を添削してもらえるのか について

※ 私が受験生だったのは20年以上前のことなので,あくまでも参考程度に読んでください。

私自身も受験生の時,予備校の小論文対策の講座を受けていたのですが,毎週1000〜1200字程度の小論文1〜2通をその場で書いて提出し,翌週それを添削したものをもとに指導されるという授業形式でした。

うろ覚えですが,事前にあるテーマについての解説講義を受け,次の時間にそのテーマを題材にした小論文の問題を解く,という感じだったと思います。

週に1回,60分2コマだったかな。

また,小論文の問題を解く時間には,自分の机の上に1週間の間に読んだ「新書」2冊についての要約文(各400字以内程度を事前に書いておく)を置いておき,それの提出も必要でした。

その際,新書もいっしょに机の上に置いておくので,最初の部分などの丸写しだとすぐバレるんです(笑)。

 

最初はその講座をとっていた生徒が30人近くいたのに,入試が近づいてくる頃には10人以下に減っていました。

きっとみんな大変だったのでしょう。

他の科目の勉強もしなきゃいけませんし。

自分でもよく最後まで続けられたな,と思います。

 

そんなこんなで,上記の指導を受け続け,ようやく「まともな小論文」を書けるようになるまで,私は半年ほどかかりました。

「まともな小論文」というのは,赤ペンでの添削を不要とされる小論文です。

(それでも,完璧な文章ではなかったでしょう。所詮,受験生が書いたものにすぎませんから。)

 

「半年だなんて,時間がかかりすぎだろ」と思う方もいらっしゃると思います。

そこについては否定できませんが,ちなみに全国模試での当時の私の現代文の偏差値は65〜70程度でした。

また,作文もけっこう自分的には得意でした。

でも,これだけ時間がかかりました。

 

小論文の「型を身につける」にあたっては「型が身に付くまで書くこと」が絶対必要だと思います。

そのためには,たとえば「過去問3年分だけ書く」だけでは,絶対に足りません。

参考書を読めば小論文の型を覚えることはできますが,実際に書けるかどうかは別問題です。

 

ですので,学校の添削指導だけで済ますにしても,何通の添削指導を受けられるのか,しっかり事前に確認してほしいと思います。

 

❷ 指導内容は適切か について

的外れな指導をする先生も,残念ながらいらっしゃるようです。

たとえば,

・問題文や課題文を読まず,生徒の書いた小論しか読まない。

・添削結果の講評を伝えてくれるまでに時間がかかりすぎる。

・限られた時間に限られた文字数で書くということを理解していない。

・実は自分は小論文を書くことができない。

などでしょうか。

とはいえ,先生からしてみれば,通常業務とは別に仕事が増える形になる場合が多いようですし,小論文について先生に多くを求めるのは酷なのかもしれません。

ちゃんと添削するのって,かなり時間と手間がかかりますし。

 

しかし,そのような事情は生徒からすれば関係のない事情です。

そのため,もし担当の先生に対して「あれれ……?」と感じる場合は,他の先生からも添削指導を受けられないか確認することをお勧めします。